東方望月譚

□第七夜
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今日も十華はいつも通り仕事をしていた。

──ガシャン

何かが壊れる音がした。

「ん?また魔理沙さんかな……?」

最近魔理沙がよく来るが何故か正門から来ないのでこんな事はよくある。

音のした方に行ってみると見慣れない紅と白の服

「………巫女?」

私の知ってる巫女服とはだいぶ違うがリトルが以前言っていた幻想郷ね巫女というのが頭に浮かんできた。

そして、その時には彼女の放った弾幕──お札みたいな紙──が私の眼前に迫っていた。

「……ッ!?」

間一髪

ギリギリの所で私はそれを避けた。

掠めた札が私の髪を数本持って行った。

……あ、危な〜……何?何でいきなり撃ってきてんのこの人!?

「……ちッ!とりあえず逃げるか……」

私の近くに着弾した札が爆発した。

幻想『イリュージョンフェイク』

爆発に紛れ幻影を発生させ、自分は退避し機を伺う。

しかし、粉塵が晴れた時にはそいつの姿は無かった。

……何処に?

「亜空間……」

「……ッ!?」

彼女はいきなり私の斜め上に現れてドロップキックをかましてきた。

そのまま馬乗りにされる。

私は銃口をそいつの頭に向けようとした。

しかし、手に持った棒みたいな物で一閃

私のガバメントは壁際まで弾き飛ばされてしまった。

仕方が無いので相手を睨み付ける。

無表情

ありとあらゆる感情が排斥されていた……例えるならば……そう、人形だろうか……

「……正気じゃない?」

彼女は針みたいな物を取り出しそれを私に突き刺さそうとした。

ヤバい……

そう思った時、彼女は私の上から吹き飛んだ。

周りを見てみるとレミリアが彼女を掴み壁に叩きつけていた。

「ウチのメイドに何をしているのかしら……博麗霊夢?」

レミリアが手を緩めずに尋ねる。

彼女は霊夢というらしい。

「…………」

「私は何をしているのかって聞いてるのよ!!」

レミリアが更に手に力を込める。

壁に大きなひびが入る。

「……神技『八方鬼縛陣』」

霊夢を中心に光の柱が立ち上る。

レミリアは瞬時に飛び退き回避した。

スペルが終わった時、霊夢は既にいなかった。

レミリアの腕はスペルの影響か焼けただれたようになっていた。

「レミリア様!腕が……」

「ふん、これくらい何でも無いわ。」

レミリアは腕を一度蝙蝠に変え再構成する。するとレミリアの腕は元の綺麗な肌に戻っていた。

「それより十華、あなたは大丈夫なの?」

自分の身体を確認

「はい、大丈夫なようですね……」

「そう、それはなによりね……」
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