小話

□草食動物。
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先ほど"異貌のものども"を一体駆除し、愛車のバルコムを飛ばして事務所に帰ってきた。
ギギナは久しぶりに獲物を切って機嫌がいいらしく、椅子のヒルルカを日当たりのいい場所に置いて、そこに自分が座り寛いでいた。
俺は今、サザーラン課長に提出する報告書をまとめている。
この依頼は確実に市から承ったものだと証明するためだ。
まあ、証明をしたところで、サザーラン課長は俺達に確実に難癖をつけ、何がなんでも配当を減らすだろう。
そんな事はわかりきっているが、こちらも零細企業なため、どんな手を尽くしても、何がなんでも減給に対抗しなければならない。
俺のそんな苦労も知らずに、ギギナは屠竜刀ネレトーの手入れを始めた。

小一時間も経ったか。
俺は報告書を書き上げるまで後一歩という所まで来ていた。
ギギナはネレトーの手入れを全て終えて、退屈そうにしていた。

「ガユス。」

携帯電子端末で情報を検索しながら返した。

「何だ?俺は今猛烈に忙しい。」
 

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