小話

□2
2ページ/4ページ


隣の女は白目剥いて寝ていた。

「‥なあ、購買って何時から開いてるんだ?」

隣の女に聞くのを諦めて、後ろの女に聞いてみた。

「え、購買?購買はもちろん昼休みに開くけど‥」

白金の髪を後ろで一つに纏めた耳の尖ったこの女は、このクラスのHR委員で、ジヴーニャというらしい。

「ってツザン、寝顔怖い‥」

そして隣で白目剥いて寝ているこの女はツザンと言うらしい。
第一印象が最悪すぎて仲良くなれそうにない。

ん?
購買は昼に開く?
ではあのギギナとかいう奴は何でこんな時間から購買に並ぶ必要があるんだ?

俺の内心の疑問を感じ取ったジヴーニャが答えてくれた。

「あぁ、あの人‥よく分からないけど購買一番乗りしたいみたい」

ちなみに購買が開く前から順番待ちする奴はギギナしかいないらしい。
筋金入りの馬鹿なのか?

「ギギナがおらぬのなら私は帰ろう」


ユラヴィカは今来たばかりだというのに席を立って教室を出て行った。
どいつもこいつも理解出来ない行動をしてくれるので頭が痛い。

「今日はギギナと番長の座を決めるためだけに来たみたいね」

ユラヴィカが出て行った扉を見つめながらジヴーニャが言った。

 

次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ