青学リョ小説

□負けず嫌い
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「うわー!すげー雨!!」

「と、いうわけで部活は中止だ。止みそうだが、止んでもコートは使えないだろう。各自筋トレ等怠るな。以上だ」



なーんだ。部活中止か、つまんないの。
せっかく練習できると思ったのになぁ。



「越前…」



そんなことを考えていると、部長が俺の名前を呼んだ。



「なんすか?ブチョー」



部長は不機嫌気味。
唯でさえ怖い顔してるのに、不機嫌なときはもっと怖い顔。

…普通にしてれば格好良いのになぁ。



「何故帰らないんだ?雨がこれ以上ひどくなる前に…」



そんなの決まってるのに…てか部長もわかってんでしょ?
なのになんで聞くかなぁ。



「だってブチョーが居るから。」



わざわざ聞くのはタテマエってやつ?



「…俺は日誌の整理があるから遅くなると言っただろう?」



だから帰れって?部長は俺と一緒に帰りたくないわけ?



「…」

「…何むくれてるんだお前は…」



大人ぶってるとこホントむかつく。
素直に一緒に帰りたいって言えば良いのに。
俺が何言われたら怒るか解ってるのに言うんだから、性格悪いよ。



「別にっ」



駄目って言われても居てやるから。



「…越前、今日の宿題は?」



…は?
何言いはじめんのこの人…?



「…国語…」



びっくりして普通に答えちゃったじゃん…悔しい。



「…日誌の整理が終わるまでに終わらせておけ。そしたら」

うちに寄って着替えていけば良い。



…それ、俺が求めてるモノ以上…
べ、別に嬉しくなんかないからね!!



「…濡れるの前提」



悔しくて言い返す。



「この雨だ。傘をさしても濡れるだろ」

「ブチョーの家から帰るときも濡れるじゃん」

「止むまで待てば良い。止まなければ…」

「…泊まっていい?」

「車を出す」

「えー…」

「文句を言うな」

「だって明日休みだよ?」

「…」



悔しくて、どうにかして部長を負かせたくて。



「明日も会う約束してたジャン。だったら俺ブチョーとずっと一緒に居たいのにー…」



最終手段 ” 甘える ”
普段なら絶対こんな事しないけどね。


部長はたぶん…



「…ダメ?」

「南次郎さんに電話しておけ…」



ほらね、上手く引っかかってくれるんだ。


…でもまぁ…嘘はついてないけど、さ。



end.



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