青学リョ小説A
□嘘偽りない、本当の言葉
1ページ/1ページ
部活が終わり
すっかり暗くなった道を二人で歩く。
11月も半ば
もうすっかり寒くなってきた。
リョーマは寒さでかじかんだ手を擦り
一生懸命自分の息で暖めている。
その姿が可愛くて
その寒さを少しでも取り除いてあげたくて
僕はリョーマの手を取った。
「うわ…リョーマの手すっごい冷たいね」
「あ、ごめん。周助の手も冷たくなっちゃうから…離して良いよ?」
リョーマは申し訳無さそうに言う。
僕からしたら自分の手なんてどうでも良いのに…
そんなリョーマが愛おしくて。
「なんで?俺の体温が温かいのは君を暖める為だよ」
「…ありがと」
僕がそう言うと、リョーマは恥ずかしそうに俯いた。
顔は少し赤くなっていたけど、嬉しそうに微笑んでいる。
それだから君には
本当のことを言いたくなるんだ。
−−−−−−−−−−
( おまけ )
「…でもさ」
「うん?」
「手が暖かい人って心が冷たいって言うよね」
「リョーマ以外にはね」
「…あ、否定はしないんだ」
end.