青学リョ小説A
□HAPPYBIRTHDAY TO…
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『英二、あと5分だよ!』
11月27日 23:55
携帯からは愛しい恋人、越前リョーマの声
「リョーマ、良く起きてられたね」
『だって一番に祝いたいもん』
「…そんな事言って、今眠いだろ〜」
そう、明日は俺の誕生日。
リョーマは人の誕生日だって言うのに
1ヶ月くらい前から『もうすぐだねvv』ととても楽しみにしていた。
俺にとっては自分の誕生日より
1ヶ月後のリョーマの誕生日の方が大事なのだが…
その考えは、リョーマにも同じらしい。
楽しみにしててくれたのはとても嬉しい
だけど
普段起きていない時間に起きているからか
リョーマの声は表情までも安易に想像できるくらい眠たそうだった。
『眠いけどぉ…英二、明日起こしてね?』
「はいはい」
リョーマが夜更かしした日は
朝電話して起こしてやるのが俺の役目。
電話を掛けた時の寝ぼけた声を思い出して
俺は思わず笑ってしまう。
…すごく、可愛いんだ。
『あー笑ったぁ…もう、電話切っちゃうよっ』
「あーごめんごめん!だってリョーマ、可愛いから」
『…別に良いけど…あ!』
そんな、他愛も無い会話。
リョーマと話していると時間を忘れてしまえる。
時計の針はもう 23:59 を指していた。
そして 00:00
新しい一日が始まる。
『英二、お誕生日おめでとうっ』
「…ありがとう、リョーマ」
リョーマはとても嬉しそうに
俺の誕生日を祝ってくれた。
今すぐ抱きしめたい衝動に駆られるけど
多分俺の姫君は
もうそろそろ夢の世界へ旅立つだろう。
『明日ね、プレゼントあげるからねっ!』
「ほんと?ありがと…」
『だから早くむかえにきてね?』
「うん、分った。じゃあ早く寝て、明日ちゃんと起きないと」
『うん、おやすみ、英二…大好きだよ』
「俺も…ありがと、リョーマ」
新しい一年が始まる。
その日を
愛しい恋人と迎えられた事がとても嬉しい。
俺は自然とこぼれる笑みを抑えきれないまま
ベッドに横になる。
明日、リョーマに会ったらめいっぱい抱きしめようと
俺は勝手に心に誓った。
end.