青学リョ小説A
□僕の味方-2
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掛け替えのない君
僕が居なきゃ駄目になると思わせるほど気掛かり
だけどこんな僕にこそ
君が必要で
僕の味方−A
さっきからリョーマは窓から外を眺めては
はぁ、と深いため息を吐いた。
「リョーマ、ため息吐くと幸せ逃げちゃうよ」
と僕が笑うと
「だって、晴れたら周助とテニスだったのにっ」
リョーマはぶすっと膨れっ面をして言った。
自分とテニスをする事を楽しみにしてくれていたのは凄く嬉しい。
でも折角二人で居るからには早く機嫌を直して欲しくて。
いつもの可愛い笑顔で笑って欲しくて。
「そうだ、ちょっと外に出ようか」
「雨降ってるよ?」
「降ってる方が気持ち良いと思うよ」
僕はそう提案して、リョーマを外へと連れ出した。
*****
「すご、い!」
リョーマを連れて来た場所は、森に近い林。
この間写真を撮る為に散策していて
偶然見つけた場所だった。
その日は晴れていたけど木漏れ日が所々差し込んで凄く気持ちが良くて
雨の日に来るのもまた良いかもしれないなんて思っていたから
リョーマを連れて来てみたというわけ。
昼寝が好きなリョーマだから
空気が美味しいところは好きかな、と思ったんだけど…
「わぁ、すごい!ね、周助、雨降ってないよ!」
リョーマはそう言って傘を放り投げ
手を空に向かって大きく開いた。
僕の読みは当たったらしい。
「…気に入った?」
「うんっ来る途中も楽しかった!」
此処に来るまでの道は
リョーマが通った事のない道を選んで
此処の家は猫を飼ってるんだよ、とか
リョーマが喜びそうな話しをしながら。
「テニスも楽しかったと思うけど、こっちも楽しいから、周助ありがとっ」
そう言ってリョーマはトトト、と僕の所に駆け寄り
背伸びをして僕にキスをした。
僕はリョーマの頭を撫でて
お返しにリョーマの頬にキスをする。
「ねぇリョーマ」
「ん?」
「帰りは相合い傘して帰ろうか」
僕がそう言うと
リョーマは嬉しそうに笑った
雨が降ったなら
僕が君の傘になって
綺麗な雨のメロディ-を聴かせてあげる
だからずっと微笑んでいて
僕の味方でいてね
end.