青学リョ小説A
□HAPPYBIRTHDAY TO PRINCE
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「「「「「「「「HAPPY BIRTHDAY 越前!!」」」」」」」」
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『夜中にごめんな、越前。明日練習があるから学校来れるか?』
冬休みだけど練習するから学校に来いって言われたのが昨日。
しかも夜中に大石先輩から電話が来たから、寝るのが遅くなって。
朝起きたら部活始まる15分前だし、桃先輩は迎えに来てくれないし。
急いで着替えてダッシュで学校に来たけど。
完璧遅刻。
今日も校庭20週か…と覚悟して部室に入った。
…のに。
部室のドアを空けたと同時に鳴らされたクラッカーと、先輩達の声に。
俺は呆然としてしまった。
自分の誕生日を忘れる程ボケちゃいないけど。
まさか祝ってもらえるなんて思ってなかったから。
「おっちび〜〜〜!ハッピーバースデー☆」
「越前、おめでとう。ごめんな、昨日夜中に電話して」
そういって駆け寄ってきた青学ゴールデンペア。
菊丸先輩は俺の事をぎゅーっと抱きしめて。
大石先輩はよしよし、と頭を撫でた。
「ち、遅刻したから…怒られると思ってました…」
「本来なら、校庭20週だが」
「そんな事、絶対させないけどね」
部長の言葉を遮るように、不二先輩。
「越前、お誕生日おめでとうvvvイブなんて素敵だねvvv」
眉間にしわを寄せたまま固まっていた部長が続ける。
「今日は誕生日だからな…おめでとう、越前」
「めでてーな、めでてーよ!おめでと!越前!」
「うん、お目出度いね。おめでとう、越前」
桃先輩と河村先輩も駆け寄って来て。
「…おめでとう」
海堂先輩は一言だけ。
でも顔がほんのり赤くなっていた。
「越前が恥ずかしいと思っている確立、100%…おめでとう、越前」
乾先輩に今の気持ちを言い当てられ、俺はもっと恥ずかしくなる。
でも…凄く嬉しくて。
今までは 一人で居る事に慣れていた。
でも今は 一人で居る事に不安を覚える。
「さあ、若干時間は押してしまったが、練習を開始する」
「はぁ?まだ祝い足りないよ!ねぇ、英二?」
「そうだにゃー!折角オチビの誕生日なのに!」
「今日は練習メニューもゲーム式に変えてみないか?手塚」
「あ、それ良いね。面白そう」
「負けた人は罰ゲームなんてどうっスか?お前にゃ負けねぇぞ、マムシ!」
「…受けて立つ」
「罰ゲームは乾汁ね」
嬉しくて嬉しくて。
自分が生まれた日を、こんなに喜んでくれる人たちに出会えたこと。
自分の事を、こんなにも想ってくれる人たちに出会えたこと。
「…あのっ!」
心の底から大好きなキモチを込めて。
「あ…ありがとうございました…」
それでも恥ずかしくて、声の音量は小さくなってしまったけど。
俺の声は、俺の想いは皆に届いていた。
その証拠に、俺が顔を上げたときには皆が嬉しそうな笑顔を浮かべて。
「お誕生日おめでとう!」
俺は本当に幸せ者だと。
本当に、本当にそう思った。
end.