他校リョ小説

□HAPPYBIRTHDAY TO…
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受信トレイ
06/09/28 23:28
越前リョーマ
ねぇ
―――――――――
起きてる?

―――END―――




送信トレイ
06/09/28 23:45
TO.越前リョーマ
Re:ねぇ
―――――――――
わりぃ、風呂入って
た。

―――END―――



いつもよりも大分遅い時間に来ていたリョーマからのメールに、俺は急いで返信を返す。
普段ならリョーマはこの時間はもう寝ていて、俺は風呂に入ってる。
今日はメールが来ないんだとばっかり思っていたから、携帯を見て少し焦った。


リョーマはメールとか10分待たせると…寝るからな。


もしかしたらもう寝たかもしれない。

その時電話がなった。

画面には「越前リョーマ」と出ている。
俺は急いで電話を取った。


「リョーマ?わりぃな、メール気付かなくて」

「んー大丈夫…眠い…」

「そういえば何でお前こんな時間まで起きてんだよ?」


俺の質問にリョーマが言葉を濁す。
リョーマが言葉を濁す時といったら、俺には一つしか思い浮かばない。


「国語の宿題、まだ終わってないとか?」



間。



「…ま、まだまだだね…」


電話越しだが、リョーマが腹を抱えて笑っているの目に浮かぶ。


「え、ちげぇのかよ?」

「亮が可哀相だから、そういうことにしておいてあげる…」


リョーマは笑いが止まらないらしく、苦しそうにしている。


「言えよ、気になんだろ!」


俺は何だかこっぱずかしくてリョーマにつっかかるが、リョーマはまだ笑っていて。

リョーマはよく俺をからかって遊ぶ。
その時のリョーマはとても楽しそうで嬉しそうで。
からかわれるのが嫌いな俺も、リョーマにからかわれるなら別に良いかなーと思うようになってきた。


…いや、もう末期で可哀相ってことは重々承知してる。



「あ」



俺を現実に引き戻すかのようにリョーマが声をあげた。


「ん?なんかあったか?」

「俺が起きてた理由、教えてあげるよ」


時計見てみて。



そう言われて時計を見た。
時計の針は12時ぴったり。




「HAPPY BIRTHDAY 亮」




あぁそうか、すっかり忘れてた。

明日…いや、今日は俺の誕生日だ。


恋人に一番に祝ってもらえる。
それは俺にとって初めての経験で。
今まではそんなことで喜ぶ奴らを馬鹿にしてたけど…


…ほんとに嬉しいもんなんだな。


「…ありがとな」

「亮大好き…後は朝会っていっぱい言うから…もう寝ていい…?」


リョーマは本当に眠いらしく、んーとうなった。


「ん、あぁ…明日な」


「おやすみ…」


そう言ってリョーマは電話を切り、俺も携帯を閉じる。


朝になったらいつもより早起きして、リョーマを迎えに行こう。
それでリョーマを青学に送って。帰りもリョーマを迎えに行って。

…いつもの様に邪魔されるかもしれないが、大丈夫。


一日のはじまりがこんなに素敵だったんだから。

ガラにもなくそんなことを考えながら。



俺はゆっくりまぶたを閉じた。



end.



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