他校リョ小説
□必死な俺、のんきな君
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「亮って***だよね」
「うんうん、宍戸さんは***だね」
「ねっ!だから亮は**で〜」
「***だよね」
「お前ら、何してんだよ…」
人の話題できゃっきゃとはしゃぎ合う恋人と後輩。
2人は嬉しそうに俺の顔を見る。
「亮の(宍戸さんの)話してた(ました)!」
「んなの聞きゃ分かるっつの…」
だってーとリョーマは甘えた声を出す。
「亮の話して、付いて来れるのチョタしか居ないんだもん」
「リョーマ君の宍戸先輩の話、面白いんですよ〜」
『チョタ』『リョーマ君』なんていつから呼び合っているのか。
「…でもさぁ、俺よりチョタの方が亮の事知ってそうでヤダ」
長太郎が居なかったら確実に抱きしめてたのに。
空気が読めない犬が一匹。
「でも俺が好きなのはリョーマ君ですからvv」
ばこっ!!!!!
俺は手に持っていたテニスボールを後輩に力一杯投げつけた。
「いたーい!何するんですか宍戸さん!」
「いっぺん死ねーー!!!!!」
きゃんきゃんと鳴きながら(酷いですよ〜と言いながら)、長太郎はテニスコートへ逃げるように走って行く。
アイツは本気だ。
笑ってる様で、目が笑ってなかった。
「…亮?」
リョーマはびっくりして、俺のジャージの裾を掴む。
俺はリョーマの肩をがしっと掴んだ。
「お前の事一番好きなのは俺だからな…っ」
どんだけ必死なんだろうと自分で思うけど、仕方ない。
コイツを好きな輩は沢山居るんだ。
必死にならないと、コイツを掴んでられないから。
リョーマはそんな俺を見てクスクス笑い始める。
「…かっこわりぃ…」
「かっこ悪くないよ!俺も亮が一番vv」
リョーマはそう言ってにこっと笑い、俺の頬にキスをした。
end.