他校リョ小説
□ドリームカムトゥルー
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「将来は結婚しよなvvv」
「…はい?」
俺の恋人は、たまに突拍子も無い事を言う。
「新婚旅行は何処がええ?海外も良いけど国内も捨てがたいなぁ〜」
「ちょ、侑士…?」
目の前の恋人は自分の世界に入ってしまい、俺の意見を聞く気はさらさら無いらしい。
「結婚指輪は給料3ヶ月分vv医者になったらごっついの買えるやんかvv」
「…」
俺の口からは自然とため息が漏れる。
そんな叶わない夢、語ってどうするっていうの?
「…なんやリョーマ。浮かない顔して」
「侑士がそうやって、叶わない夢ばっかり言ってるから」
別に、そう言う話が嫌いなわけじゃない。
侑士と一緒に旅行だって行きたいし、侑士がくれるならなんだって嬉しい。
でも俺達は男同士で結婚も出来なくて子供も産めなくて
いつかはこの恋が思い出になってしまうんだ…
「…あんなぁリョーマ。夢は叶える為にあるんや、叶わない夢なんか無い。
夢は叶うから夢であって、叶わんもんは空想や。思いが強ければ空想は夢に変わる。
叶う夢を叶える為に努力するのが人生ってモンやろ?
だから俺はリョーマと一緒に過ごす為に努力してんの。わかる?」
侑士の口からはそれはもうクサイ台詞がツラツラと出てきて。
クサ過ぎて理解するのには時間がかかったけど。
つまりは
「俺とリョーマが努力すれば、これから一緒に過ごす事は簡単に叶うって事や」
少し照れた笑顔を浮かべて。
その笑顔を見た瞬間に、理解するのに時間がかかった君の言葉を信じてしまう俺は
もう君の魔法に掛かっているのかも知れない。
end.