他校リョ小説
□HAPPYBIRTHDAY TO…
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「景吾!遅いっ!」
青学正門前
「あぁん?仕方ねぇだろ!歩いて来てやったんだから!」
「つーか会いたいって言ったの景吾じゃん!早く来い!」
今日は俺の誕生日。
別に特別だと思ってるわけじゃない。何を期待しているわけでもない。
…つーのは嘘だ。
恋人には特別だと思ってて欲しい。恋人には期待してしまう。
なのにコレだ…
「お前…今日何の日か解ってそんなこと言ってんのか…?」
リョーマが俺に突っかかってくるのはいつもの事だが。
今日くらいは優しくできないもんか。
「解ってるから言ってんの!」
「はぁ?なんでだよ!言え!」
「…景吾の誕生日だから早く会いたかったって言ってんデショ!ばか景吾!!」
…
解りにくい…
天邪鬼にもほどがあるだろ
「お前…そんな事一言も言ってねぇぞ…」
「言わなくても解れ!」
「解りにくいんだよ!」
跡部がリョーマの頬をつねる。
こんな理不尽なワガママ聞いてやるのはお前だけ。
リョーマがうーと唸りながら上目使いで俺を見るから
それがあまりにも可愛くて抱きしめる。
「ちょ、景吾!離してよ!」
「うるさい。今日は俺様の誕生日なんだぜ?今日くらいワガママ聞いてくれたって良いんじゃねーの?」
「…いつもワガママばっかじゃん」
「…お前に言われたくないね」
リョーマは抱きしめると大人しくなる。
「なんか俺に言う事は?」
「…」
リョーマは頬を赤く染め。
「HAPPY BIRTHDAY 景吾…」
と言って
めいっぱい背伸びして、俺にキスした。
年にこんな日が一日でもあるなら
俺はこいつのワガママ、全部聞いてやるしかないじゃねーか。
end.