他校リョ小説

□僕のこの声は
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リョーマ


俺は俺の腕の中で眠る恋人の名前を呼ぶ。



「…ん…なに…景吾…?」



リョーマは眠そうな目を擦りながら、俺に口付けた。



「…つかまだ朝じゃん…?…寝る」

「ちょっと待て。お前はいつ起きるつもりだ?」



そんな俺を無視してリョーマは2度目の眠りにつく。



「リョーマ」

「…」

「リョーマ」

「…なんでそんなに名前呼ぶの…?」



リョーマが不安そうに俺を見た。
俺の腕の中で眠る恋人がもろく崩れそうで。
それがとても…綺麗で。

名前を呼びたくなった。

その綺麗な名前を。



「俺の声はお前の名前を呼ぶためにあるから」



そうだ、俺のこの声は。

その綺麗な名前を呼ぶ為にあるんだ。



「…あ、ははははは!なにソレ!ちょうキザ!!」



リョーマはいつもの俺からは想像も出来ない言葉を聞いて。
堪え切れなくなったのか大声で笑い出す。



「笑うなよ。俺は本気だ」

「本気なのもウケる」

「おい!」

「…でもさ、俺はテニスをやる為に生まれてきたけど」



リョーマが笑うのをやめた。

こいつは俺を負かすくらいに…強い。
リョーマこそがテニスをやる為に生まれてきたと言っても良いだろう。



「この声は景吾の名前を呼ぶ為にあるんじゃない…かな」



リョーマは恥ずかしそうに俺の胸に顔を寄せた。
それがとても可愛くて、俺はリョーマを抱きしめる。



「この声が出る限り、俺は景吾の名前を呼び続ける」



どちらからとも無くキスをする。



「だから景吾もその声が枯れるまで、俺の名前を呼び続けてね」

「…当たり前だ」

「景吾」

「リョーマ」



愛してる



end.



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