他校リョ小説

□夕立ロマンス
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千石清純、ただ今全力疾走中。

なんてったって今日は愛しの恋人と待ち合わせてるんだから

待たせちゃったら可哀想じゃん?

そんな訳で俺の心は躍ってるのに、空は機嫌が悪いらしい。

ポツリ、ポツリと雨が降ってきた。

待ち合わせた場所は青学近くの駅。

幸いあと5分もしないうちに目的の場所に着きそうで

雨が強くなる前に愛しい恋人に会えそうだ。



「あ、居たいた!リョーマくん!」

「千石さんっ」



俺が声を掛けると、リョーマくんは嬉しそうに笑った。

俺が駅に着いた途端に雨は勢いを増して。

やっぱり俺ってラッキーなんだな、なんて

リョーマくんの笑顔も見れたし、これからもっと良いことあるかもしれない。



「ごめんね、待った?」

「ううん、今来たトコなんだけど…」



さぁ行こうか、と歩き出そうとしたら

リョーマくんの困った顔。

可愛いんだけど、何かで悩んでいるリョーマくんは見たくない。

だって、笑った顔の方が可愛いんだもん。



「どうしたの?」



俺がそう聞くと、リョーマくんは申し訳なさそうに言った。



「俺、今日傘持って来てないの」



・・・

という事は誰かが傘に入れてあげなければいけなくて

その誰かって言うのは一緒に居る俺なわけで


それってもしかして


堂々と相合傘が出来るってこと?



「…俺って、やっぱりツイてるのかな」

「ん?」



心の中で言ったつもりが、うっかり声に出してしまって

慌ててなんでもないよ、と誤魔化した。



「リョーマくん、俺と相合傘しよっか!」



やばい、自然と笑顔になっちゃうよ。

だって相合傘ってなんか憧れだったから。

それを大好きなリョーマくんと出来ると思うと、凄く嬉しくてさ。


リョーマくんはぱちぱちと瞬きをして

恥ずかしそうに頷いた。


ああ、もうホント

俺ってラッキー



end.



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