青学リョ小説
□君という十字架
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リョーマは深く傷ついて、僕に2度と近づかなくなった。
傷ついて、壊れて。
部活のとき、僕の話になると具合が悪くなる。
部活のとき、突然具合が悪くなる。
そのたびに大石が面倒見てたっけ…
全国大会が終わり三年生が引退すると同時に、僕は二度とリョーマの前に姿を見せないと誓った。
傷ついて壊れていくリョーマをもう見れなかった。
好きで好きで抱きしめたいと思っても、いくら謝りたいと思っても。
僕の姿を見て具合が悪くなって、泣き出して、そしてまた傷つくリョーマを見るのは…もう無理だった。
リョーマが居そうなところには近づかない。
部活にも極力顔を出さない。
僕が姿を見せない事で、元気を取り戻していくリョーマ。
そんなリョーマを見て、僕は追い詰められ。
もう駄目だった。限界だった。
それが12月。
それからは世界が止まったようで。
日に日に笑う事が苦痛になって…英二や手塚、テニス部三年生は沢山心配してくれた。
英二に至っては、僕の話を聞いてくれた。
だから僕は全部吐き出せた。
でもあの時のリョーマは?
そう思うと苦しくて、追い詰められて、また駄目になりそうだった。
でも僕はそれも吐き出せた。
…ずるいと思う
僕はだんだん笑えるようになっていった。
もちろんリョーマが居た頃のように上手くは笑えなかったけど。
クラスの皆と話して、笑って。
笑えるようになった僕を見て、英二はとても喜んでくれた。
初めて英二に話をしたときは、本気で殴られて、本気で怒られて。
”不二は俺がリョーマを好きだって知ってたよね!?俺ならこんな事しないのに!!俺なら…俺ならリョーマを傷つけなかったのに!!”
英二もリョーマを好きだったから。
僕は何も出来ない自分が悔しくて、英二は何も出来ない自分がもどかしくて
泣いた。
そんな英二が僕の為に喜んでくれるのは、本当に有難いことだと思う。
だからしっかりしなきゃと思った。
何回もリョーマに話をしなきゃいけないと。
でも足は重くて、胸が苦しくて。
リョーマはもっと苦しいんだ、と自分を奮い立たそうとしても
視界の片隅にリョーマが映ってしまうだけで泣きたくなった。