碧眼に滴る漆黒
□18.吐露は当惑を生み出す
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ハルはエレンの反応を見て遊んだあとふときこうと思ってたことを思い出し言葉にした。
「エレン、そういえばさ」
と言葉を再び紡ぎだしたハルに反応しエレンは顔をあげた。
「なんで最近俺のこと見てんの?」
エレンはその言葉に心臓が大きく脈を打ったのが分かった。むしろ心臓が痛いくらいだ。
エレンは言葉が出なかった。そんなこと突然聞かれるなんて予想すらしてなかった。
ハルはただ単に感じたことを言っていただけだった。最近すれ違う時でもエレンがこっちを見てくるのは感じてた。
それを確定させたのが今日の訓練だ。始まりからずっとエレンの目がこちらを見てるのを分かってた。でもハルはその理由が一向に分からなかったのだ。
ハルは口を閉じたままのエレンを見て、答えたくないんだろう。そう察しエレンの頭から手を離した。
「気のせいならいい」
ハルは自ら誤魔化し時間を見て食堂のことを思い出した。
あぁ、遅くなった。どうせ食堂は人多いだろうし食事は自室でとろうか。
「あ、あの・・・・っ!!」
そのエレンの張りつめたような声にハルは再びエレンを見た。何かを決めたようなそんな目だった。
「俺、好きなんです!」
突然の告白にハルは眉間に皺を寄せた。
は?何を?
「なんの話して・・・」
「ハル補佐官のことが好きです!」
ハルはその瞬間に言葉の意味を理解し、ハルはそう割り切ったように言うエレンの口を手で覆いエレンの声を殺した。
ハルが咄嗟にエレンの口を塞いだのはその大声の告白を誰かに聞かれ勘違いでもされたらどうする、と働いたものだった。
然しハルはエレンの言葉が理解できていなかった。エレンは好意のことを言ったがハルは尊敬・親しみからくる『好き』だと思っていた。
「・・・・お前さぁ、嬉しいけどさ周りが聞いて勘違いしたらどうすんの。うるせぇよ馬鹿。」
そういうハルにエレンは大きく目を開き口に触れる手を優しく取って口からずらした。
「勘違い・・・・とはなんですか?」
「だから恋愛とかそういうのにってこと。」
ハルは実際いるやつはいるんだぞ。と付け加えて教えてやりたいが言葉を抑えた。
「・・・・そうです。」
「え?」
「俺、ハル補佐官のことそういう目で見てます。好きなんです、上司とかそういうのじゃなくてハルさんが。」
ハルはその言葉に必死に頭を働かせる。
エレンは何を言ってんだ・・・・。
ハルがエレンをみると透き通った翠色の瞳と目が合った。