碧眼に滴る漆黒

□18.吐露は当惑を生み出す
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俺が好き・・・・?



あの視線も食事を一緒に取ろうとして来るのも、だからか。



そしてハルはエレンが呼び方を変えた意味も分かってた。



いや、考えるのはそこじゃない。この対応だ。



ハルは混乱した頭で考えた。コイツはまだ15だろ、こっちは男で上官だ。尊敬される立場ではある。



「・・・・お前のは憧れだ。憧れが拗れたものだ、お前15だろ?その年頃はいろいろと混乱しやすい。」



そうだ。この年頃ならありうることだ。まだ俺みたいに年とっても変わらないのは別だが。



「違います!憧れとかじゃないんです!」



「なら、ミカサは?お前その女と仲良いだろ?」



「ミカサは家族です!そういう目で見たことありません」



「お前さ、性別は?」



「男です」



「そうか。俺も男だ。」



男同士。そう、これが問題なんだ。一番めんどくさいところ。それは俺が一番よく知ってる。



「・・・・からかってるんですか。分かってます。貴方が補佐官という立場なのも男なのも・・・・・それでも、好きなんです。」



どうしよう。対応が分からない。きっと誤魔化したところでエレンはすぐ気づいて本題に戻してくるだろう。それにこいつの目は本気だ。



「・・・・・俺、いつからかハルさんに触りたいって思うようになったんです。ハルさんの近くにいたいです。」



こんな直球に伝えてきた人なんて初めてじゃないか、男同士って分かってんのに。



そう言われもうハルはこれ以上言葉は出なかった。



エレンはハルの手を取り直し手の甲の微かな傷痕に唇を落とした。



ハルはその感触に胸が高鳴った。



「おまっ・・・・」



ハルの途切れた言葉にエレンは手の甲に唇を当てたままハルを見た。



もう片方の手で口元を抑え顔をそらし頬を染めていたのが見えた。



エレンはその表情に抑えが利かなかった。



顔を覆う金髪から逸れる碧眼と白い綺麗な肌に微かに紅潮に染まる頬に目が奪われる。



エレンはその瞬間にハルの腕を引き反対の手で肩を掴んで引き寄せた。



ハルは距離を縮めるエレンを避けるようにして後ろに体重をかけたがトン、と木製でできた本棚の裏に背中が当たる。



前からはすっとエレンの顔が近づいてくるのが分かった。



唇が触れる、そう思ったときだった。



「誰かいないのか。」



ハルはその声に敏感に反応しエレンを突き飛ばした




 
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