情報屋と金木くん

□情報屋
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葵side











俺はいつものようにパソコンの前のイスに腰かける



目の前の机の上はパソコンの周辺無駄に書類でかさばっている



もうそろそろ片付けないとな、なんて思うがこの雑な書類の束に生憎手を伸ばそうとは思わない



俺は諦めパソコンの画面に食いついたように見ながら依頼者の注文書類をまとめていく



情報屋としてお客は幅広い



喰種もいるが勿論人間もいる



でも人間はほどんど裏ルートをたどって暴力団とか某企業とかそういう人物がほとんどだ



勿論依頼者は犯罪者が多かったりして警察の情報は一番売れる



そんな人達相手にしてたら喰種なんて特別警戒するものでもないと思う



人間と喰種より人間と人間の方がよっぽど怖いことを知ってるからだ



しかも喰種だって危ないヤツばっかりじゃないし下手したら俺の知ってる人間より安全だ



俺も今までに何回も殺されかけた。



この情報屋だってもちろん犯罪もので盗聴器、監視カメラ、GPS、情報は徹底的に調べる



他にもハッキングやコンピューターウイルスを広めたり盗みや潜入もする



まぁ基本は情報収集だからコンピューターウイルスとかで情報網の錯乱の依頼が入った時は値段もそれなりだ



俺だって好きで巻き込まれようとは思ってないし。



アオギリとかは前からの常連さんでよく利用してもらっている



喰種の集団。調べてもそれぞれの地区に複数いるようで日々メンバーは増えてるように感じる。



彼らだって俺を殺さないのは殺したらそこで彼らの必要な情報が途絶えるからだ



でも俺は残念ながらアオギリの味方をしているつもりはない



裏ルートで此処にたどり着いた喰種対策局の捜査官にも情報提供はしてる



勿論アオギリのことについて聞かれれば値段と見合わせて情報提供はしている


実際今まとめてるのはその捜査官から依頼されたアオギリのメンバーについてまとめている



アオギリにはそんなことは言ってはないがきっとタタラさんは気付いてるだろう



あの人勘鋭いし。



捜査官と呼んでいいのか見た目は秋葉にいそうなポップな服を着た変わった少年だった



ただあの少年は正直関わりたくない分類だ



鈴屋什造。准特等捜査官で驚異の身体能力を持っている。



確かアカデミーでもずば抜けていたし特等捜査官の篠原のパートナーだったっけ。前話した限り死生観もずれていて道徳心がない印象を受けた。



あ、クインケについても聞いとけばよかったな。



情報を聞き洩らした。



なんて思いながら机に肘をついた



俺がいつも依頼人と会った時必ず無駄なお喋りの時間を入れるのはその人の信頼と情報を得るため



大抵依頼に来るのは犯罪者だから情報は搾れるときに搾らないとともったいない



すると入口のほうからコンコン、とノックの音が聞こえた



客かな、



俺は小さくため息をついて机の上にある書類を伏せた



「どうぞ」



そう答えると最近見慣れてきた白髪の少年が視界に入ってきた



「葵さん、こんにちは。」



いつものように黒のタートルネックに身を包んでいる少年につい目を向ける



「珍しいな。どうした?」



アオギリの新人の『眼帯』くん。依然消えたヤモリより強い。



いや、消された。かな。



「前の情報のことで追加らしいです。」



そう言う金木はどこかどうでも良さそうにも見えた



きっと絢都らへんに頼まれたんだろう



「そう。そっちに適当に座ってよ」



と近くのソファーを指さす



金木はそこにゆっくり足を進め腰を掛けた






 
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