情報屋と金木くん

□月に照らされた夜
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葵side










金木が時々分からなくなる



昼間はいつものように黙々と小説を読んでたまに談話をするくらいだが夜はまた違う



俺が金木をベッドに引きづり込んで寝た以来彼は寝つきが悪くなっていた



それはソファーが固くて寝づらいからなのか



「・・・・寒いです」



そういつも金木から漏れる言葉が始まりだ



ソファーに寝転ぶ彼を見ると寝る気がないのか寝れないのか目を瞑るような様子はなかった



「くる?」



そう声を掛けてみると金木は俺の方をじっと見る



俺はベッドの端に寄って隣りをぽんぽん、と叩くと何も言わずにこちらに来てベッドサイドに座り込んだ



あの日から金木はずっとこのベッドで寝ている



金木は始めソファーで寝てみようと寝ろこんでは1、2時間は寝れないままの様だった



俺も昼に寝てしまうことあり夜中は寝つきが悪くなっていたから知ったことだ



金木はベッドに横になり俺はそのまま金木に毛布を掛けた



「いつもすいません、」



「いえいえ、むしろ俺が迷惑かけちゃってる方だし」



子供みたい、なんて彼にいったら怒ってしまうので言わないでおこう



金木の方を向くと白い髪と目が毛布から微かに覗くくらいで毛布に潜ったようになっている



俺はその覗く白髪にちょいちょいと指で触るようにするとパシと手を振り払われ「触らないで下さい」と言われた



「あ、怒られたー。暇だしいいじゃん」



「なら寝てください。」



「金木もさっきまで寝れなかったくせに」



「うるさいですよ」



そう言い返す金木は既に寝ようとしているのか毛布に潜り目を瞑っていた



猫みたい、



その様子についそう思う



人の体温が暖かいと寄ってくる割に近づけば嫌がられる



俺もその様子に小さく息を零して俺も寝ようと金木に背を向けるようにして横になった



俺だってベッドに誰かがいるのは不思議な感覚だけど別に嫌ではなかった



ただ時々彼の思考が読めないだけだ



目を瞑って就眠に入ろうとすると何かが腰から腹部に触れてきた



その感覚に再び目を開くと金木の手が腹部に回ってきていてゆっくり引き寄せられるように背中に彼の額や肩が当たるのが分かる



人の体温を求めるように引き寄せられる



どうしたの、なんて言おうと思ったけどまるで力を抜くように腕の重みが増しすり寄るようにして背中にくっつく彼に言葉を飲みこんだ



言ったらきっと離れてしまうだろうし彼は人の体温が恋しいだけだ



可愛らしい寂しがり屋の少年、



そう思ってしまう俺も大概だろう。



俺はただ反応せず彼のしたいまま自由にさせゆっくり聞こえ始める彼の寝息に俺も目を瞑った








 
 

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