碧眼に滴る漆黒

□7.触れてはいけない針
1ページ/3ページ













「ほら、リヴァイできた」



と手についたワックスをぬぐいながらリヴァイに鏡を渡した



リヴァイは少し鏡を眺め「悪くない」と口にした



あと1時間もすれば出発だ。正直嫌気が差す。またあの香水臭いところに行かねばならないのか。



香水臭いとはいえども香水はマナーの一つだ。ハルは仕方なく棚からガラスに入った香水を取り出す



商店街に行って一番嫌いではない匂いの薄いものだ



一振りしスーツを整える



鏡をみてオールバックに表情が歪む



「おい、これジジ臭くないか」



「決まりだろうが。諦めろ」



「っていうかお前もオールバックだからな」



とリヴァイに言い返してやるリヴァイは「うるせぇ」と一言言った後ハルの後姿を眺めていた



リヴァイがハルの部屋で準備をしているのは身だしなみを整えるのはハルに任せた方が綺麗だと思ったからだ



「あ、そう言えば、お前香水つけたか?」



「いや。」



「なら早くつけて来い」



「香水なんて持ってない」



「はぁ?・・・お前俺が前言った言葉覚えてるか?」



とソファーのくつろぐリヴァイの前に立ち顔を近づける



「香水はマナーとしてつけておくもんだから買っておけって言ってたやつか?」



「覚えてるなら尚更だ」



「繁華街に行く時間が取れなかった」



まぁ確かにここ最近忙しかったのは確かだ



ハルはため息をついた



「まぁ、リヴァイは男臭いこともない。」



と言われハルは座っているリヴァイの後ろから首元に鼻を近づけた



リヴァイは首元に急に見えたハルの顔に心臓が悪い鳴り方をした



「どうせ他の奴らの香水の匂いで適当につくだろ」



「・・・汚ねぇ言い方やめろ」



リヴァイは「だって臭ぇんだもん」と子供の様に言う彼を横目にハルが先ほどつけていた香水を手に取り先端を鼻に近づけた



「この匂いはまだ悪くなぇがな」



と試しに手首につけた



「おい!リヴァイなにしてんだ!」



「試しにつけてみただけだが」



「馬鹿か。舞踏会までにも匂い残るぞ」



「知らねぇやつの香水が下手に染みつくよりはマシだろうが」



「・・・・全く。もう外出るぞ」



「あぁ。」



とハルの後を追い部屋を出た



「おや、二人ともいたか。」



エルヴィンはその日分けていた前髪をオールバックにしており何か月ぶりに見るものだ



「前より映えているな。頼むぞ」



「あぁ。下手なことはしない」



「あぁ、了解だ」



と二人はエルヴィンの返事を返した



「エルヴィン、スーツ新しくしたのか?それ初めて見たぞ」



「あぁ、前のは2年ほど使い込んでしまっていたからね。さすがにと思って。・・・合ってないか?」



「いや、似合ってる。」



ハルが言いたいのは俺に選らばせてくれたよかったのに、ということだろう



ハルは余計なことだと思い言葉を飲み込んだ



ふとエルヴィンは二人から香る香水の匂いに気が付いた



「リヴァイ、香水は」



「あぁ、・・・いい匂いだろ?」



リヴァイは薄ら笑みを浮かべてそうエルヴィンに返した



ハルはお前のものじゃない。



リヴァイはそう言っているのが分かった



「?・・・どうかしたか?」



「いや、何もない」



途中ハルが気にかけてきたがエルヴィンは誤魔化した










 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ