苦い恋に想いは募る

□3 episode
1ページ/2ページ

渚said











今日は涼太、撮影だって言ってたよね



一応部活に顔出したのかは知らないけど



放課後、私の足は体育館に向かっていた



体育館からは外にいても開いた窓から声が聞こえる。あと、ボールの音。



引退してから久しぶりだ



私はその部活を邪魔しないようにドアにもたれながら中の風景を眺めた



すると奥の練習をしている人がこちらに来た



「こんにちは。君、一年生?」



そう言って私にに声を掛けられたのは髪を分けている顔の整ってる人だった



「あ、はい。」



「かわいいね、名前はなんていうの?」



ずいずいとこちらに近づいてくる様子につい一歩足を退いてしまった



なにこの人。怖い。



「梓・・・です。」



「下は?」



「渚です」



「渚ちゃんか。可愛い名前だね」



あ、怖さが確信に変わった。



この人あかん。



「森山。」



「お、なんだ小堀か」



と後ろから身長の高い朗らかな雰囲気をとって人が出てきた



「なにしてるんだ、練習に戻らないと。」



「あー、分かってるって!ファンの子と話くらいさせろよ」



ん?ファン?何の話してんだ?



流石に二人もこちらに集まれば他の部員もこちらを見はじめた



「お前らなにしてんだ!!」



その中大きな怒鳴り声が体育館に響いた



その声量につい私もビクッとなってしまった



「あぁ、笠松」



び、びったぁ〜・・・・。声でかっ。



「何してんだ練習中だろうが!さっさと練習に戻れ!」



小堀と呼ばれた人の背中からその大きな声を出している人が見えた



黒髪の短髪で目がデカい。そんな第一印象だ。



あ、そうだ。この人見たことある。



私は前涼太が読んでいたバスケの週刊雑誌を思い出した



それに載ってた。確か海常のキャプテンだ。



「こんにちは」



ととりあえず挨拶をするとその人は私の顔を数秒見て顔を逸らした



「・・・・こんちは。・・・・で、お前らは何してんだ!練習に戻れっつーの!!」



と今にも蹴りそうな勢いで二人に言っていた



「えー、だってファンだぜ。挨拶ぐらいさせろよ」



あのー、勘違いしてますけど。



言葉を口にする前にため息が出そうだ




 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ