苦い恋に想いは募る

□6 episode
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笠松said











入ってきたマネージャーはバスケに真剣で頭のまわる女子だった



女子ということで最初は戸惑っていたが彼女はそれを楽しんでるみたいだ



梓が組んでくれたメニューは体力的に厳しいものばかりだが確実に実力が上がるものだ



それに個人的に足りない技術のある人は個人メニューが組まれていてその内容もすごかった



声も頻繁にかけてきて疑問があればすぐに声掛けてくれた



驚いたことと言えば梓と黄瀬の仲だ



あれは異常だと思う



梓も動揺なんて様子はないしむしろまたか、というようなリアクションだ



彼女は積極的に話しかけてくる



それはマネージャーとしては十分だが、



「先輩、冷却スプレーがもうありません」



「げ、まじか。」



そいえば軽く手痛めてるんだよなー、



明日も練習あるし・・・・。どうすっかな、



「私今日買いに行ってきますね」



その考えを読むように梓がそう言った



しかし外を見るが日が暮れるのも早く既に暗くなっている



「いや、暗いだろ。今日はもういいよ」



「暗いから買いに行かないとかおかしいですよ。それに先輩、手痛めてるし。要りますよ」



と俺の手を指さされた



なんで知ってんだ、コイツ・・・・・。



「あ、今なんで知ってんだ。キモ。とか思いました?」



「いや!キモいとかは思ってねーよ!」



「分かりました。ま、今日行ってきますよ」



え、なんかはいはい。みたいになってんじゃねーか。



そういって彼女はまた救急箱の中を見てチェックをしていた



なんていうんだっけなんか俺の知ってる女子ってのよりも無愛想だ



流石に女一人で行かすわけにはいかないだろ・・・・・。



部活が終わりみんな帰ろうと準備をしていたときに梓に声を掛けた



「おい、」



「なんですか?」



「俺も、一緒に行く。」



そういうと驚いた顔をして少し「・・・・・ありがとうございます、」と笑った



不意に心臓が高鳴ってついに目を逸らした








 
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