あなたはわたしの全て
□プロローグ
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彼女は机の上のまだ真新しく綺麗な教科書、使い慣れた銀色のペンケース、少しへこたれたスクールバッグをぼんやりと眺めていた。
その視線を部屋全体へと向けていくと霞んで見えるがいつもと同じ光景が広がっているだけだった。
そこには何もない。
何故かそう感じずにはいられなかった。
一つ溜め息をつき、机の上に無造作に積まれている教科書を一瞥してからベッドに入った。
積まれた教科書の一番上にあったのは日本史の教科書だった。
To be continued.